平成9年2月28日裁決・大阪・非公開
1 事例の概要
自動車の車庫として使用している部分の土地は、建物所有を目的とする借地権に該当するか争いになった事例です。
本件においては、審判所は土地の利用状況から判断して建物の所有を目的とするとは言えず、地代等の授受もないので、土地の賃貸借とは認めず、借地権は存せず、自用地とすると判断しました。
2 審判所の判断 ※裁決要旨
請求人は、本件土地に建物の所有を目的とする借地権が存する旨主張するが、
(1)本件土地上の車庫は屋根が自動車駐車場所の上部のみを覆っているだけで周囲と空間を遮る壁も扉もないものであるから、雨覆いのために設けられた駐車場の付属設備にすぎず、借地法上の建物に該当しない
(2)土地の利用状況からみても、建物の所有を目的とするものとはいえないこと、
(3)賃貸契約がなく権利金や地代の授受もないから賃貸借とは認められないことから、
借地権は存せず、自用地として評価するのが相当であるとしました。
※建物とは
不動産登記法第111条によれば、「建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない」と定義しています。
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