賃料不払いによる催告の方法についての記事がありましたので掲載します。

1 催告の方法

(1)催告は訴訟においても訴訟外でもすることができ、また書面、口頭を問いません。ただ実務的には催告をしたことをきちんと証拠に残すために配達証明付きの内容証明郵便で行うのが妥当です。

(2)取立払いの約定のある場合であっても、持参又は送金払いを求めた催告は、解除の前提としての催告として有効です。

(3)賃貸人が現実に提供された賃料の受領を拒絶し受領遅滞の状態にある場合には、特段の事情がない限り、賃貸人が借家人の賃料の不払を理由として契約を解除するためには、単に支払を通告するだけでは足りず、その前提として、受領拒絶の態度を改め、以後賃料を提供されれば確実にこれを受領すべき旨を表示する等、自己の受領遅滞を解消させるための措置を講じる必要があります

(最判昭45・8・20)

契約書の写真

2 催告当事者

(1)賃貸家屋が適法に転貸された場合において、賃貸人が借家人(転貸人)の賃料不払を理由に賃貸借契約を解除するに際し、賃借人に対して催告すれば足り、転借人に対して催告する必要はありません

(2)共同相続人として共有している家屋を賃貸している場合、目的物の用益提供が共同相続人の不可分な債務である以上、これと対価関係にある賃料債権も性質上の不可分債権と解され、したがって1人の賃貸人が全額を請求できますから、共同相続人の1人が単独でした催告も有効です。

判1最判昭45・8・20(民集24・9・1243)

 

3. 紛争の概要の最高裁判例

(事 案)
昭和34年12月、Xは、期間3年、賃料月額1万6,000円、賃料は毎月15日に賃貸人方に持参して支払うという約束で、その所有家屋をYに賃貸した。昭和37年12月16日、Yは賃料を持参したが期間満了による賃貸借の終了を理由に受領を拒絶された。その後昭和38年4月15日、XはYに対し賃料の支払を催告したのでXがそれに応じて持参したところ、Xの母親に受領を拒絶された。

昭和41年6月2日、Xは未払賃料の催告及び相当期間内に支払わない場合は解除する旨の意思を表示したが、Yは賃料を支払わなかった。

(判 旨)
建物の賃貸人が現実に提供された賃料の受領を拒絶したときは、特段の事情がない限り、その後において提供されるべき賃料についても、受領拒絶の意思を明確にしたものと解すべきであり、このような賃貸人が賃借人の賃料の不払を理由として契約を解除するためには、単に賃料の支払を催告するだけでは足りず、その前提として、受領拒絶の態度を改め、以後賃料を提供されれば確実にこれを受領すべき旨を表示する等、自己の受領遅滞を解消させるための措置を講じなければならない

※「借地借家紛争解決の手引き」(新日本法規)より引用

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